【育て方】観葉植物に霧吹きを使って、葉っぱに水やりをする「葉水」の注意点

観葉植物に水をやる方法には、ジョウロなどを使って根から吸収させる方法と、霧吹きで葉っぱに水をかける「葉水」という方法があります。根から水を吸収させるのは植物栽培ではおなじみですが、さて霧吹きで行う「葉水」にはどのような役割や効果があるのでしょうか。この記事で説明しますので、理解を深めておきましょう。 

葉水とは? 

「葉水」と書いて、「はみず」と読みます。「葉」に「水」と書くように、意味するところは、霧吹きを使って、観葉植物の葉っぱに直接水をやることです。

観葉植物をはじめとした植物は、一般的には、根を通じて水分を吸収します。しかし、生育環境によっては、葉からたくさんの水分を吸収するものもあるのです。特に、一年を通して湿度の高い熱帯で育つ植物の多くは、葉から水分を吸収しています。たしかに、空気中に水分がたくさんあるのなら、それを吸収したほうが植物にとっては効率的かもしれません。

しかし、観葉植物として育てる場合、置かれる環境はさまざま。自生する植物のように、常に湿度が確保されるというわけではありません。そこで「葉水」を行うのです。霧吹きを使って観葉植物に水をかければ、人工的に湿度の高い状況を作りだすことができます。そうすれば、葉から水を吸収することができるというわけです。

葉水は、霧吹きを使って行います。手持ちのものがあれば、それを使ってください。もしも、これから新しく購入するのであれば、できるだけ細かい霧が出るものを選ぶとよいでしょう。植物に優しく水をかけることができます。

 

ポイントは、葉の様子を確認しながら、表側だけでなく裏側にも吹きかけること。とは言っても、葉から水がしたたるほど大量に吹きかける必要はありません。

 

観葉植物に霧吹きで水をあげるのにはどんな効果がある?

 

霧吹きで水をやる「葉水」の効果は、水分補給だけではありません。「葉水」にはいくつかの効果があります。

ひとつは、害虫や病気の予防につながることです。例えば、植物につきやすいハダニ。乾燥を好む害虫で繁殖力が強く、観葉植物にとってはやっかいな害虫のひとつです。放置しておくと植物が弱り、病気になってしまうことも。そこで葉水です。湿度を高めればハダニが活動しにくい環境になりますし、虫を水で流してしまえば、観葉植物を健全に保つことができます。

もうひとつの効果は、葉についたほこりを取り除けることです。

ゴムの木、ストレリチアなど、葉の大きな観葉植物を見るとわかりやすいのですが、観葉植物にもほこりが積もります。ほこりが積もった観葉植物は見た目もよくありませんし、実はほこりが邪魔となって光合成にも影響してしまうのです。植物は光合成で成長に必要な養分を作り出しますが、ほこりが邪魔をするとしっかりとした光合成ができないという事態に……。これでは、元気に育つことができません。

 

大きな葉の場合は拭き取ることもできるのですが、葉の枚数が多い観葉植物や、葉の小さな観葉植物の場合は、拭き取るのは難しい――そんなときは、葉水をかけてほこりを流してしまいましょう。

 

観葉植物に霧吹きで葉水を行う際の注意点

観葉植物にとって葉水は効果のあることがわかりました。だからと言って、むやみに水をかけるのは禁物です。霧吹きで葉水をするときの注意点を確認しておきましょう。

 

気温が低いときに行うと観葉植物を傷める原因になる

冬の朝晩は、暖房をつけないでいると室内でもかなり低い気温になります。そのような状況で葉水をやると、水が冷たすぎて観葉植物を傷める原因になるので、気をつけましょう。

観葉植物の中には、冬場は休眠、つまり活動を停止しているものもあります。活動を停止しているということは、水を必要としないということ。まったく必要のないものもあれば、多少は必要とするものもありますので、そこは植物の特性に応じて対処するようにしてください。「よくわからない」という場合は、植物のプロフィールを調べたり、販売店舗に尋ねたりすると安心です。

なお、気温が低いときだけでなく、夏の日中、高温の時間帯も葉水には不向き。夏は朝か夕方の涼しい時間帯、冬は気温が上がる昼ごろなど、季節によって葉水をやる時間帯を調整することがコツです。

 

葉水が不要の観葉植物もある

観葉植物にとって効果的な葉水ですが、中には葉水が不要なものもあります。それは、サボテンや多肉植物のように乾燥地帯で育つ植物です。そもそも、水を得にくい厳しい環境で生きるすべを身につけていますから、水をやるとかえって株を傷めてしまいます。ひどいときには腐ってしまうこともあるので、お気をつけください。

また、葉水を必要とする植物でも、やりすぎは禁物です。自生している地域、植物の特性に合わせて葉水の回数や頻度を調整するようにしましょう。

なお、熱帯地域で自生する植物以外に、アジアンタム、ベンジャミンのような細かい葉をたくさんつけている植物は、葉水を必要としますので、あわせて覚えておいてください。

 

熱帯性の観葉植物や葉の細かい観葉植物をお世話するときには、霧吹きも用意して、定期的に葉水をしましょう。葉水の効果や注意点については、どうぞお伝えした内容を参考にしてください。もちろんPlant Huntでも、葉水の方法のほか、育て方についてのご相談を承っております。種類豊富な観葉植物を取り扱っていますので、お気軽にどうぞ!